*聞き取りの相手が誰か

*聞き取りをするチームのメンバー

*調査の日時

*調査のテーマ『〜に関する聞き取り』

*調査の主旨(なぜそのテーマを問題にするのか)

*聞き取り内容の全体(要約)

*聞き取りからチームあるいはメンバーひとりひとりが考えた事柄(結論)

*参考資料

 

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聞き取りの相手:熊篠慶彦さん

 

チームのメンバー:金城賢祐

         鎌田夏実

         太田紋乃

         伊藤直人

 

調査の日時:2010年5月26日(水)2時限

 

調査のテーマ『心のバリアーについて知る』

 

調査の主旨 主観的な部分で健常者が気づかないような固定観念があり、それが原因で障害者と健     常者との間に壁が生まれるのではないか。その実態について知る。

 

 

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調査結果

 

質問1

「たった5センチのハードル」出版後10年も含めて、今までに価値観や生き方で影響をうけた人はいるか。

回答1

価値観を変えてくれた人:検査技師の人、初めて風俗につれて行ってくれた理学療法士の人

ものごとには色々な見方がある。球体のように、360°×360°からものごとを見る姿勢を持つようになった。

 

質問2

性に関する活動をフィールドワークから周囲に広げる際、躊躇や葛藤などはあったか。また活動当初のご家族の反応、現在の反応はどのようであったか。

回答2

ホームページ熊篠邸の地下室をつくったときは、ネット上ということもあり躊躇はなかった。その後メディアに取り上げられるようになって、周囲の反応を考えるようになった。

プライベートに踏み込まれることに躊躇いを感じるのではないか、というが、食事やトイレ、入浴などもプライベートであるがそれ自体は恥ずかしいことではなく人前でするのではないのなら性的なことも同じなので、介助を受けることは当たり前のことと思う。

 

質問3

性欲などに代表される、健常者も障害者も変わらず持っているが、障害者にとって発散させる方法が足りていないと感じられることは他にもあるか。

回答3

20年前にはバリアフリーやノーマライゼーション、ユニバーサルデザインなどという言葉もなかった。以前は電車に乗ろうと思ったら駅に連絡をいれ、スロープを用意してもらう作業が必要であったが、今日はどこでもエレベータが設置され、そのような煩わしさはなくなった。しかし、エレベータがベビーカー渋滞を起こすようなときもあり、全てが便利になったわけではない。

 

質問4

障害者に対する好奇心の視線や、助けや声かけ(「大変ですね」と言われるなど)についてどのように感じるか。また、健常者と障害者の間に存在するバリアを自ら取り払うために普段から気を付けていることはあるか。

回答4

視線を感じたときにどう思うかはその時の気分次第で、余裕がある時には「俺って有名人じゃん」と思うこともあるが、そうでない時には睨み返すようなこともある。もちろん視線に対する慣れもあるが、自分自身も、自分を棚に上げて車いすの人を見たりする。

スーパーの棚の高いところにあるものがほしいとき、エネルギーがあるときは助けてほしいオーラを出したり優しそうな人や店員に声をかけたりするが、そうでないときは諦める。

障害者はそんなこと言わないだろう、しないだろうと思われていることをわざとする。健常者の中にある"障害者像"を壊す。

 

感想
・「障害者」という枠にとらわれて、対「障害者」として質問をしてきたが、「障害者として見られてしまう、視線にどう思うか」→「気分次第」という当たり前の答えに今まで気付かず、驚きを感じてしまった。
・「何かが便利になると、何かが不便になる」→印象的だった。
・障害などに知識のない人→「障害者、高齢者、患者が性的な要求がある」→頭がショートしてしまう。これは障害者と健常者との間のもっとも大きな壁。これを壊すために、熊篠さんはわざと健常者が「障害者はやらないだろう」と思うことをする。
・障害者における食事、トイレ、風呂→手伝ってもらうこと×手伝ってもらわない、で天秤にかけたときやってもらわなければ仕方がない。当たり前のこと(性的なことも)。これは健常者がなかなか持てない考え方。
・健常者の味方の中に、障害者への正しい理解がない(ショートしてしまう人の話を受け)と感じた。
・エレベーターが設置されているんだから、もう大丈夫だろうという誤認があった。実際はエレベーターがすべての需要に対応できるわけではない(ベビーカーや車いす、高齢者など)のだから、人の手は必要。もっと健常者側が想像力を持って柔軟な対応が必要!!